Hamm
先代当主ハインリッヒ・ハム氏は、日本のワインの父とも言われています。
明治末期、日本政府より醸造技師として山梨県のぶどう園でワイン造りの
指導に招かれ来日した彼は、第一次大戦に巻き込まれ終戦後は
帰国してしまいますが、彼が技術指導を行ったぶどう園はその後も
彼の教えの通り、ワインを造り続けました。その一つが今ある
『サントリー登美の丘ワイナリー』です。
彼は日本でフィロキセラ(害虫)に対する対策指導も行っており、
ハインリッヒの子孫で現在の当主カール・ハインツ・ハムは、
いち早く自然農法を採り入れ、リースリング種ではめずらしい樽発酵も
早くから取り入れた。
1913年にはドイツ産の苗木から日本初のリースリングワインを誕生させた
醸造家ハインリッヒ・ハム。彼は、ドイツでもトップクラスの畑から、
ブドウは全て手摘み、低温発酵、そしてオーガニックなどの丁寧な醸造手法に
取り組んできました。そこから生み出されるワインは、
古典的なリースリングワインから脱した、
ドライでキレのある華麗なワインを生み出し、多くのファンを魅了しています。
ラインガウ地方
≪ロケーション≫
ラインガウ地方はヴィースバーデンの東のウンターマインから、
リューデスハイムの北にあるロルヒハウゼンに至る一帯。
ここでは南から北へ流れるライン川が、ルートをすっかり変更し、
東から西へと流れています。ぶどう畑は南向きに開墾され、
太陽の熱と光を充分に受けることができます。ライン川の川面からの
反射光と蓄熱槽としての働き、そして土壌の性質は、
ぶどう栽培に最適な環境を提供しています。
土壌
ラインガウ地方の土壌は、3つの異なるタイプに分けらる。
リュ−デスハイマーベルク、ロルヒ、アスマンスハウゼンでは、
熱を蓄積するスレート、千枚岩土壌が支配的です。
東部と中部地域の低位置にあるぶどう畑は、砂の多いローム、レスが多く、
いずれも水分をしっかりと保っている。
ロルヒと近郊の標高の高い地域ではタウヌス珪岩が見られる。
気候
ラインガウ地方ではタウヌス山地が自然のバリアとなって
冷たい風や強い雨から同地域を守っています。
年間平均気温は10,6度を記録し、
気候は非常に穏やかです。ラインガウ地方の庭園では、
地中海地域でよく見られる、いちじく、オリーブ、
アプリコットなどの植物が繁茂していることからも、
温暖な気候であることがわかります。
年間平均降水量は500ミリ、年間日照時間は1600時間を数え、
ラインガウ地方の穏やかな気候の基盤となっています。